Mar 03, 2008

プロテウス

  • Proteus
  • 2003
  • Canada / South Africa
  • IMDb
  • ゲイが描かれている
  • 恋愛
  • 時代
  • 実在人物
  • 差別
Proteus

Story

1725年、白人に盗まれた家畜を取り戻すために抵抗して拘束されたホッテントット(コイ族の蔑称)のクラース・ブランクと、ホモセクシュアルのために捕らえられたオランダの水兵リカールト・ヤコブズは、重労働の刑に処され、プロテアの研究をするバージル・ニーベンというイギリス人の植物学者の下、南アフリカのロベン島でプロテアを栽培をする仕事に従事する。やがて厳しい労働と劣悪な環境の中でも少しの時間をみて、クラースはリカールトと肉体関係を持つようになる。リカールトは元々ホモセクシュアルであったが、クラースにとっては女の代用でしかなく、気紛れにリカールトを突放したりまた体を求めたりする日々が続く。この関係は10年にも及び、ふたりの関係はしだいに変化していく。ただ、その関係を説明する言葉をふたりは持たなかった。一方で、バージル・ニーベンもホモセクシュアルであり、彼の目線はいつもクラースを追っていた。彼がホモセクシュアルである事を以前アムステルダムの港で目撃していたリカールトは、バージルのクラースへの特別な扱いにも気がついていた。そしてその事を感じ取ったクラースはなんとかして収容所から出るためにバージルに近づくのだが……。1735年にオランダ法廷で40ページにわたって記録されたソドミーに関する裁判記録。そこからフィクションを交えて実在した人物を描き出した貴重な映画。
Review
ホモセクシュアルだと書いたけれど、映画の中では「ソドミー」と表現されている。そのような時代であるから、リカールトがクラースに聞いた「俺達の関係はいったい何だ?何と呼べばいいのだ?」という問いが重要な意味を持つし、彼らが自分の権利を主張する事もなかった理由でもある。ソドミーだから。リカールトとクラースの関係の変化がセックスの変化で表現してあって上手いなぁという感じ。恐らくこれらのシーンがネックで日本では上映されにくいかと思うけれど。私の中にあったアフリカ原住民の知識も相当片寄っていたらしく、驚かされる事が多かった。クラースは自分の名前も書けるし、英語も話せる。そして処世術も備えている。バージルとクラースが英語で話している間、オランダ人(白人)であるリカールトが言葉を理解できずに蚊屋の外……というのは思いもよらなかった。おそらく最初の5年間は周りも見て見ぬふりをしていた関係というのは、囚人の間でこのような性欲処理のための肉体関係が暗黙の了解であったからだと思うのだけど、5年目にしてふたりの関係が少し変化して、クラースが大事に身につけていたネックレスをリカールトにあげたという特別な行為が彼らの嫉妬と嫌悪を引き起こしたのだと思う。また、ホモセクシュアルに対する厳しい刑罰だけでなく、アフリカへの侵略の末の原住民に対する非道な行いなどもきちんと描かれていていいと思う。よくぞたった40ページの裁判記録の行間を読んでここまで物語を作り上げたと感心する。正直「百合の伝説」は期待が大き過ぎたせいかガッカリというのが強かったけれど、今回の作品はロケもきちんとしているしテーマもストレートに伝わってきてわかりやすい。しかもロベン島の美しさとプロテアの美しさでこの作品を盛り上げている。なんとたった18日間のロケ?すごい。あと、意図的に時代考証を無視して作ってあったりする。こんなのこの時代には無かったでしょう?というものがたくさん映る。これはどこか私達を現代に引き戻して考えさせるものなのかも。ちなみにプロテアの花とこのタイトル「Proteus」の関係は以前書いた予想であっていた様子。これはぜひ日本でも公開してほしい映画だと強く言える。リカールト役の役者さん、まだ無名っぽいけど切ない表情の目が美し過ぎ。(決してハンサムではないのだけれど。)そしてなんと言ってもふたりの肉体の美しさも素晴しい。

アマゾンの紹介ではCC対応と書いているけれど、うちのCCデコーダーは全く反応無し。

使われている言語はアフリカーンス語(オランダ語と現地の言語から派生したらしい)と英語とナマ語(現地の言葉)で、英語には字幕無し。クラースの英語はかなり訛っているので聞き取るの大変。

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