Mar 03, 2008
Gypsy 83
- Gypsy 83
- 2001
- USA
- IMDb
- ゲイが描かれている
- 時代
- 友情
Story
スティーヴィー・ニックスを崇拝する25歳の太めの女性、ジプシーと、写真や服をデザインしたりするのが好きな18歳クライブ。ふたりはゴスファッションで着飾り、仕事や学校が終わると一緒に過ごす親友。自分達に合う場所は近所の墓地ぐらいで、周りには自分達の趣味を理解してくれる人もいない。早くこの田舎から出ていきたいと思っていた所へ、クライブがN.Y.で開かれるスティーヴィー・ニックスのファンが集まる「なりきりコンテスト」の情報をインターネットで見つける。その画面の中にジプシーが見たのは母親の写真だった。ジプシーの母親は1983年に歌手になる夢を追ってサンダスキーを出て以来、行方がわからなくなっていた。N.Y.に憧れを持つクライブと母親に会えるかもしれないと思うジプシーは4日後のコンテストを目指してサンダスキーを出ていく決心をする。旅の途中でアーミッシュの村から逃げ出してきたいい男ザカリアや、オハイオ大学の学生トロイと出会い、ジプシーもクライブもセクシーな一夜を過ごすのだが……。
Review
田舎町で自分の居場所が見つけられず都会に希望を託すふたり。自分の夢と属するべき世界を模索する映画。それぞれがそれぞれの相手と快楽にひたった公衆トイレでの一夜が明けて、傷心のジプシーはクライブが好きでもない相手と簡単に寝た事でさらに傷つく。クライブもまた、本当に自分がゲイになったことで漠然とした不安を持っていたため、お互いをいたわる事が出来ずに傷つけあう。この時にジプシーが覚えた不安というのは、これでクライブが完全にゲイとして自分が決して踏み入れられない世界に属する事になり手の届かない存在になるのではという事で、じゃぁ自分はいったいどこに属せばいいのか?ということ。ジプシーは太っているというコンプレックスがある反面、スティーヴィー・ニックスという独特の存在にシンクロする事で、自分の世界を作り上げて理解されない自分を守っていて、世界を共有できる唯一の存在がクライブ。クライブはゲイであることは自分のほんの一部で大した事ではないと言いつつも、誰かとセックスをする事で本当にゲイになる事を恐れて誰とも寝なかった。だから今まではうまくいっていた。ふたりはお互いを親友としながらも、実はどちらかが自分から離れていく事をとても恐れている。だからこそ、この映画のラストはふたりの成長の証なのだと思う。2001年に撮られたこの映画のリリースが2004年に遅れたのは結果的には良かったらしい。この映画が撮られたのは9.11以前であり、人々の中でNYという象徴の持つ意味合いが変わり、ふたりが田舎から逃れていく場所としてより適する場所となったし、主演のサラ・ルウも今は有名になったし(しかも痩せてる!)、と監督がインタビューで語っていた。残念なのは監督がスティーヴィー・ニックスへのオマージュとして作った映画なのに、彼女の曲を1曲しか使わせてもらえなかったこと。ところで、ここで突然監督が初めて脚本を書いた「Edge Of Seventeen」と関連しているものを出してみる。「Edge Of Seventeen」の主人公エリックは若い頃の監督の分身であったのだけれど、今度のクライブも監督の分身でありエリックの分身だといってもいいと思う。もちろんクライブが通っている高校はエリックと同じ高校で、全く同じ校舎が出てきたりなどする。エリックは学校ではメイクをしていなかったけど、クライブは学校にもメイクしていっているし、家族にもカミングアウトをしているっていう違いがあるけど、その辺は時代の違いって感じかも。キャスト的には「Edge Of Seventeen」でエリックの母親を演じていた女優さんやエリックの初体験の相手ロッドを演じていたAndersen Gabrychが出ていたりで懐かしいかも。(ちなみにAndersen Gabrychはどこで出ていたのか1回ではわからなかった。化け過ぎ。)そんなわけで、「Edge Of Seventeen」ほどゲイがメインテーマではないけれど、「Edge Of Seventeen」が好きな人には楽しめるかもしれない。ちなみにクライブとエリックの初体験エピソードを照らし合わせると、監督の初体験の相手はオハイオ大学の学生だったんだろうなぁと思う。いや、知らんけど。(笑)そしてこのエリックやクライヴの一部は、「Another Gay Movie」の現代っ子たちに引き継がれることとなる。
