Mar 03, 2008
Dona Herlinda and Her Son
- Dona Herlinda y su hijo
- 1985
- Mexico
- IMDb
- ゲイが描かれている
- 恋愛
- 男女三角関係
- セックス
- 家族
Story
小児科医のロドルフォと音楽スクールの学生のラモンは恋人同士。ロドルフォは大きな家に過保護気味な母親とふたりで暮らしていて、ラモンは実家を出て安い下宿暮らし。ラモンの部屋で密会しても、すぐに近所の人たちの干渉があって落ち着かない。ロドルフォは母親を喜ばせるのが大好きで、毎週母親とラモンを誘って公園に出かけたり、自宅にラモンを招いて母と食事をしたりしていたため、ラモンは夫人のお気に入りとなっていた。しかし夫人は息子のために何度もお見合い相手を用意してはデートさせる。今回はオルガという女性を紹介した。しかしなぜかふたりのデートには母とラモンも同席。母親を喜ばせるためにオルガと仲良くするロドルフォに腹を立て傷つくラモン。ところが、ようやくオルガとの交際も上手くいき始めた時に、夫人はラモンの下宿暮らしを案じて、この家に住めばいいのよと、ロドルフォの部屋に同居する様に勧める。どうせロドルフォのベッドは大きいのだからと。
Review
恋に身を焦がして正しい選択がわからないで悩むラモンの繊細な心の揺れと、過保護に育てられたゆえに全てが自分中心に回っているかの様に全く将来に不安を覚えていないロドルフォの滑稽さと、全く何も見えてない風を装って息子だけでなく全てを掌握してしまったドナ・ハーリンダ(読み方あってるかあやしい)のしたたかさがいい具合に絡み合って、結構ブラックユーモアな作品に仕上がっている。クローゼットなゲイが親のために恋人を裏切って女性と結婚するというネガティブな内容なのに、この映画はそんな理由で面白い。くわえてネガティブに感じないのは、ロドルフォに対するラモンの感情を細かく表現してあることと、マッチョ主義なメキシコにおいて、この時代にあれだけ男同士のメイクアウトシーンを入れてあることへの賞賛の方が大きいからかも。とにかくこのふたり、夫人の目を盗んではイチャイチャ。夫人がオルガを家から連れ出したスキにもまたイチャイチャ。もちろんメイクラブシーンもあるのだけれど、子供が生まれる直前までやってる。恐らく、マッチョの観点から言うと、タチまではまだハッキリとは同性愛者扱いはされないかもしれない。(そういう文化圏も実際にあるし。メキシコはどうだろ?)ロドルフォとラモンの関係で言うと、誰もがロドルフォがタチだと思うだろう。映画の中では夫人がどこまで知っていたかというのは明かされないけれど、私はおそらく「それ」が夫人が知らない唯一の事だと思う。夫人は同性愛を理解したとかそういうレベルではなく、息子の欲しい物は手に入れてあげたいとかそんなのだと思う。息子をハッキリと理解していたら無理矢理女性と結婚させようなんて思わないだろうから。ちなみに、結構きれいな構図のシーンがいくつもあって、そこからもむしろポジティヴな印象を受ける。それにしても、見始めた時は「ラモンのマレット、きついわ!」と思っていたけれど、傷つきながらも結局ロドルフォと一緒にいる事を選んで、辛い関係にハマっていくラモンは可愛く思える。ロドルフォの都合よさにはうんざりだけれど、まぁこういう家族もありかと思うので、唯一望むのは、子供だけは絶対に誰にもかえがたいぐらい愛してやれよ、という事。オルガはさすがにラモンとロドルフォの関係を知ったら腹を立てると思うけれど、案外自分の自立のために彼らを利用する逞しさを持っているかも。そして、この映画はタイトル通り、間違いなくドナ・ハーリンダの息子への溺愛の映画。
