Mar 03, 2008
ブルガリアの愛人
- Los Novios bulgaros(Bulgarian Lovers)
- 2003
- Spain
- IMDb
- ゲイが描かれている
- コメディ
- セックス
- 男女三角関係
Story
ブルガリア人のキリルと出会い、彼と援助交際する事となった裕福なコンサルタント、ダニエル、が次々と巻き込まれるトラブルを、スペインが現在抱える問題を織りまぜてコミカルに描いた作品。
Review
キリルにはブルガリアに婚約者がいて、彼はダニエルだけでなく婚約者の事も愛している、というのがトラブルのひとつではあるけど、そんなのもうどうでも良くなるようなトラブルが続いて、とにかくストーリーが予想外な方へ展開していくのだけど、思い返すといちいち伏線がきちんとはってあって、すごく良く書けた本だなぁと感心。脇を固める個性的な友人達さえも、きちんとストーリーの中で役割を果たしている。本当に無駄がない。コミカルと言えども、セックス描写を含む性的アピールもかなりこだわりを持って描かれているのは、さすがエロイ・デ・ラ・イグレシア監督だと納得。この監督の作品は他には「El Diputado」しか見ていないのだけど、 「El Diputado」は彼がハッキリとホモセクシュアルな作品として作った2本目ぐらいの映画で、かなり彼の原点なわけで、描きたいものが詰まっていたのだと思う。そして久々に映画を撮った監督は、この「ブルガリアの愛人」で、「El Diputado」と似た部分をいくつか見せている。もちろん元になった小説があるので、全てが彼の作り出したものだとは言えないが、その小説を選んだのは、彼にとって裕福な年長者が、社会の底辺のような青年を養うという構図はやはり、こだわりのあるテーマなのだろう。私は未見なのだけど「El Diputado」の前に撮った「Los placeres ocultos」でもそのような構図になっている様だ。そしてその青年がゲイだという自覚はほとんどないバイセクシュアルであるという点も似ている。主人公である年長者はこれに魅了され翻弄される。だから当然ふたりの間には女性が絡んでくる。このバランスの不安定さがストーリーを面白くしているのは間違いない。「ブルガリアの愛人」では、結婚式の夜のエピソードや、新しい男を家に連れ込んだ時の反応など、美しくも残酷に期待を持たせるような好意を見せる。惚れた弱みってやつで、これで何もかも帳消しに出来てしまう。なにより監督がこだわりを持っているのは、じつはセクシーだと思う男性のタイプではないかと思ったりもした。もちろん、股間の膨らみを見せつけるというのは基本なのだけど、これは「El Diputado」でも主人公を最初に誘惑する男娼が刑務所のベッドで行っている。この男娼ネズは今度の「ブルガリアの愛人」のキリルととても雰囲気が似ている。ネズが何歳か歳をとればキリルのような風貌になっただろう。そういう意味で、「ブルガリアの愛人」は「El Diputado」などの基本の部分を忠実に、今という時代を反影させて再構築した作品のようにも思える。2つの作品が違うのは、主人公が自分のセクシュアリティを納得しているかどうかを含む、その時代ならではの同性愛を囲む環境なのだと思う。監督の政治への関心もまだまだ強いらしく、パーティーの会場でいきなり「インターナショナル」を歌い出すシーンは、「El Diputado」で主人公達が理想を掲げて歌ったその曲とは意味合いが違う。ブルガリア人達がおかれている経済状況を皮肉っている。
