Mar 03, 2008

A Love To Hide

  • Un amour a taire
  • 2005
  • France
  • IMDb
  • ゲイが描かれている
  • 時代
  • 差別
  • 男女三角関係
  • バイオレンス
A Love To Hide

Story

ナチスの占領下にあった1942年のパリ。ユダヤ人のSaraは両親とイギリスへ逃亡をはかるも、手引きした男の裏切りによって家族を全員殺されてしまう。かろうじて独りだけ生き延びたSaraは、子供の頃に夏の休暇中によく一緒に遊んだJeanに助けを求める。彼女が住所を知っている唯一の頼れる人だったからだった。Jeanの家はクリーニング店を営んでおり、人の出入りが激しい。そこで彼は「友達」のPhilippeのアパートへ彼女を連れて行き、かくまってもらう。実はPhilippeはJeanの友達ではなく恋人なのだが、Saraはそんな事は知らず、ただ子供の頃から思いを寄せていたJeanに更に思いを寄せ、やがてふたりの本当の関係を知ってもなお、それでもいいと思い続けることに。レジスタンス運動をしていたPhilippeの計らいで、Saraは新しい身分証明書を手に入れ、Yvonneと名乗りJeanの店で働くようになる。ちょうどその頃、Jeanの問題を起こしてばかりの兄(弟?)Jacquesが刑務所から出て来たばかりだった。父から全く信頼を受けていないJacquesは普段からJeanに劣等感を抱いていたが、兄弟の仲は良かったため、JeanはJacquesを信頼して、Yvonneが実はSaraなのだと教える。美しく成長したSaraに思いを寄せるJacquesではあるが、SaraはJeanに夢中。しかもJeanが同性愛者である事も知ってしまう。何一つ勝てない事に腹を立てたJacquesは浅はかな行動に出てしまう。
Review
「Juste une question d'amour(Just A Question Of Love)」のChristian Faure監督の作品で、これも同様にTV用に作られた作品だそうですが、それがもったいないぐらい良い出来だと思います。どうしても「Bent」と比べてしまいますが、お互いが描いてなかった部分が描かれている様な気がするので、どちらもやっぱり見て良かったなと思います。前半のJeanは同性愛者である事を隠してはいるけれど、Philippeとの絆もすごく強く、二人の関係を出来る範囲で楽しんでいるように描かれていました。この時代を描いたゲイ映画で、太陽の下で楽しく過ごしシーンというのはそう多くはないのでは?それだけに後半の彼の人生と対照的となるのですが。対照的と言えば、作品の中でもJacquesが言ってますが、この兄弟のも全てが対照的。Jeanは金髪碧眼で当時のナチスが高等とした容姿で、仕事熱心で誰に対しても親切、父親からも信頼されてゆくゆくは店を譲ると言われている。Jacquesは黒い髪で、いつも問題を起こしては警察の世話になり、父親からは疎ましがられ、店のリストから密かにユダヤ人の情報を横流し。JacquesがJeanが同性愛者だと知った時に、確かに拒絶反応を示しますが、それは(当時の価値観として)自分より何もかも優れているのになぜ?という思いがあったのだと思います。けれど彼はJeanというひとりの人間を見る事で、その現実を受け入れたのだと思います。もちろん、その方がSaraを自分に振り向かせるために有利だったせいもありますが。確かにJacquesが悲劇のトリガーをひいたのですが(もちろん、大きな意味では彼ではありません)、この作品の中でもJacquesはただの悪人として描かれず、特にJeanが収容所に送られてからは、例えそれが自分の過ちを穴埋めする形でも、Jeanを取り戻したいという気持だけは本当の愛として描かれていたと思います。一方Jeanはホロコーストの犠牲となった人たち同様に何一つ悪い事をしていない。当初彼は同性愛者として収容されたわけではなく、ピンクトライアングルを付けてはいなかったのですが、収容所で知り合った同性愛者の仲間が惨い扱いを受け殺されていく惨状を見て、明らかに自分も死ぬことを望んでましたが、自らピンクトライアングルを付ける事を選ぶんですよね。本当に心が痛くなるシーンでした。それゆえに、ラストで家族がありのままの彼を愛する姿は、多くを物語ると思います。

【読みもの】及川健二のパリ修行日記 » 同性愛と強制収容所

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