Mar 03, 2008

アレキサンダー

  • Alexander
  • 2004
  • France / USA / UK / Germany / Netherlands
  • IMDb
  • ゲイが描かれている
  • 実在人物
  • 時代
  • バイオレンス
  • 男女三角関係
アレキサンダー プレミアム・エディション

Story

父であるフィリッポス2世が何者かに暗殺され、20歳でマケドニアの王となり、東征を続けて世界を支配したアレキサンダー大王の謎に満ちた生涯を描いた映画。父との確執や、母から受けた教育の影響と母への恐れ、共に戦い続けた仲間達との関係、そして生涯の友であるヘファイスティオンとの友情以上の関係なども描かれている。一応そういうことになっている。(詳しくはちゃんとしたサイトで。笑)
Review
ツッコミどころ満載で、もはやどこから初めていいのか。(笑)でも最初に言っておくと、同性愛要素は結構描かれてありますよ。オリバー・ストーンは真面目に真面目に作って3時間もの長編にしたわけだけれど、後半は我慢大会のように見てしまった。まず、コリン・ファレル演じるアレキサンダーに全くカリスマ性を感じないのは、わさとなんだろうか。良い様に解釈すると、アレキサンダーのマザコンな部分や神話に自分を重ねる夢見がちなところ、戦いを前にして親友ヘファイスティオンに見せる気弱な面だとかを通して、アレキサンダーの人間らしい部分を描いてみせて、ヒーローとしてのアレキサンダー像は、後世で語り継がれる中で尾ひれがついて出来上がった理想の英雄像ということなのだろうか。まぁそれならそれで納得。しかしやっぱりコリン・ファレルの金髪は無理がある……。とにかく長いし、もう終わりに近づいたかと思ったら、いきなり時間が戻って過去の話が始まったり、時系列がめちゃくちゃで辛いっす……。この辺でもうダメだった人がいたのか、途中で映画館を去る人数名あり。中でも顕著だったのが、明らかに同性愛描写のあとで去っていった人。と言っても、アレキサンダーとバゴアスのキスシーンなのだけれど、あまりにも当然のように同性愛が存在していたし、決定的にキスシーンがでて、嫌気がさしたのかもしれない。つまり観客はここから先、ずっと同性愛者のヒーローを見なくてはいけないのだ。これは考えたらなかなかワクワクすることで、ある意味、アレキサンダーが男性を好むことも観客は受け入れなくてはいけない。私のようなやつは、普段からそういう価値観がちがう世界を描いた映画を見ているから、自分をシフトすることに慣れているけれど、とりあえず有名な俳優が出ているし……という理由で見にきた観客にとっては、自分の価値観と違う価値観にシフトするというのは初めての経験になったかもしれないね。とはいえ、この同性愛描写が私には不満で、上記のような理由で、きちんと同性愛を取り上げたことは評価するけれど、どうにも中途半端すぎると思う。というのも、アレキサンダーはバイセクシュアルであるということになっているのに、映画の中で描かれるアレキサンダーは明らかに母親の影響で女性に対して母を見ていて、恋愛の対象ではないような感じで描かれている。いったい、どの路線で描きたいのか?一方、実際に友人であり恋人であるヘファイスティオンとの関係は全く深く描写していない。恋人同士であることはハッキリと映画の中でも言われているのに、"stay with me tonight"のエピソードや指輪のエピソードがあるぐらいで、ふたりの絆の強さを表わすような描写が極端に少ない。なのに、ヘファイスティオンの最期の時に、彼らの絆を無理矢理理解させようとするなんて強引すぎる。当時のギリシャにおいての「特別な友情」を育んだ特殊な同性愛について描かないで、明らかに性欲の対象としてのバゴアスとの情事を暗示するシーンだけを出すなんて、結局どうしたかったんだ?という感じ。ちゃんとヘファイスティオンとの関係を描いておけば、盛り上がりの場であったはずのヘファイスティオンの最期のシーンで、「アレックス!後ろ、後ろ!」とツッコミを入れることもなく感情が高まって涙したと思うのになぁ。(笑)初夜の指輪のエピは良かったけれどね。結局この辺が描き過ぎるとゲイ映画になってしまうと恐れたり、ギリシャからの抗議の影響なんだと思うけれど、中途半端だと思う。(伝えられている、ヘファイスティオンの死後のアレキサンダーの壊れっぷりを描いておけば、酒浸りの日々にもすんなり移行できたのになぁ。)あと、これは作品そのものについてではないけれど、ヘファイスティオンの最期の言葉は"My Alexander"だったと思うのだけれど、なんで字幕は「アレキサンダー」になっちゃったんでしょうね。大王となったかつての幼馴染みの事を "My"って言ってる事は無視ですか……。そうですか……。(笑)ところでジャレッド・レトはバゴアス役をやりたかったらしいね。フランシスコ・ボッシュは何と言っても踊れるから、適役だったけど、レトのも見てみたかったなぁ。そんなこんなでボロクソ書きましたが、やっぱり大スクリーンで男好きのヒーローが活躍してるのを一般の人に問答無用で見せちゃった点は評価したいので、好きな映画である。DVDで見るときは、もう戦闘シーンは飛ばすわ。ガウガメラ以外はもう見るの辛い。「やっぱり象にはかなわね〜!」歴史スペクタクルとして見るか、歴史叙事として見るかで評価も変わるのだろうけれど、本当はどっち?私は、この映画の面白さは、歴史的ソープオペラだったところなんだけどな。(笑)アレキサンダーをめぐって妻のロクサネとヘファイスティオンと宦官の愛人バゴアスの「あいつが邪魔」的な火花散る目線なんて、ソープオペラそのもの。

オリバー・ストーン、やらかしちゃいました。ラジー賞をギリギリでまぬがれましたが、大多数が保守的なアメリカでのDVDの売り上げを考慮して、アメリカで出たディレクターズ・カット版ではヘファイスティオンをただの親友という事にしてしまい、ヘファイスティオンの出番を大きく削り、さらにまた時系列をぐちゃぐちゃに入れ替えてしまったために、もう笑えない真のわけわからん映画になってしまいました。なんで新婚初夜に親友が泣きながら訪ねてくるんだよ……。

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