Mar 03, 2008
セイブド!
- Saved!
- 2004
- USA
- IMDb
- 登場人物がゲイ
- コメディ
- 恋愛
- 差別
- 信仰
Story
バプテスト系の私立高校に通うメアリー(ジェナ・マローン)は人生を信仰に捧げていた。学校の中心的存在であるヒラリー・フェイ(マンディ・ムーア)がリーダーの仲良しグループに属し、同じく熱心なクリスチャンであるディーン(チャド・ファウスト)というボーイフレンドと「清い交際」をしていた。夏休みも終わろうという時に、突然ディーンから「僕はゲイかもしれない。」と告白される。ところがその後すぐに頭を打ってしまったメアリーは、ぼんやりとした視界にキリストが現れ、ディーンを救ってあげなさいという啓示を受ける。とにかくボーイフレンドを救わなくてはと悩んだあげく、神が望む事だから……と、ディーンと婚前交渉をすることに。これでディーンは救われたと思ったのだが、ディーンの「ゲイ」は「治らず」、両親の手で更正施設に送られる事に。そして残されたメアリーが秋になって気がついた自分の体の変化は……、妊娠。結婚するまでヴァージンである事を一緒に誓った友達や娘を信じている母親に、自分が婚前交渉をした上に妊娠したという事など言えるはずもなく、隠し通そうとするメアリー。全ては神の意志だったはずなのに、なぜこんな事に?せっかく気になる男の子パトリック(パトリック・フュジット)が転校して来たのに、恋する事もできない。頼れるのは学校でただひとりのユダヤ人のカサンドラ(エヴァ・アムッリ)と、ヒラリー・フェイの兄でクリスチャンではないと自称するチェア・ウォーカーのローランド(マコーレ・カルキン)だけ。どんどん距離をおいていくメアリーに周りも薄々おかしいと感じはじめるのだが。
Review
この映画、神の名のもとに行われている差別とか抑圧を「おかしいんじゃないの?」とコメディタッチで描いた作品。まぁ、皮肉な映画である事はまちがいなく、一部の人からは嫌われちゃう作品でしょうね。プロデューサーにマイケル・スタイプのお名前もあったりなどして。でも神を完全に否定した映画ではないのは、主人公メアリーが結局は神を信じている事からもわかるのよね。婚前交渉で妊娠したメアリーは一度はこんな仕打ちをした神を恨むけど、それでも聖書の教えから外れている人間でも神様は救ってくれていると思っている。ゲイのディーンもまた、自分がゲイとして生きる事を選んだ後も、まだ「救われている」と感じている。彼らを取り巻く環境というのが、大多数が熱心なクリスチャンであり、とりわけ聖書で不道徳とされる事を嫌い、不道徳な者を「救済」するのが神からの使命だと思っているわけで、「お気の毒に」と言いつつ狂気にも似た熱意で「救済」、あるいはそれが出来ない時は「排除」を行う。その代表としてメアリーの元友達のヒラリー・フェイが、なかばエクソシストになったように更正をせまるわけで、ある意味ホラー。(笑)ここでメアリー側の味方として出るカサンドラは周りからストリッパーをしていた事があると噂される不良娘で、しかもユダヤ人。「お気の毒に」の対象である。そしてローランドは足が不自由で歩けないという理由で無条件に「お気の毒に」の対象で、救済の対象である。ただ、客観的に見ると、ヒラリー・フェイ自身が共依存症なわけで、実はみんな何かしら問題を抱えていると言うわけ。それなのに、同性愛者やティーンのシングルマザーなどだけがとりわけて「更正」すべきとされるのはなぜか?マンディ・ムーアが演じるヒラリー・フェイは本当に極端な存在として描かれているけれど、ここまでではないにしろ、こういう人達が作る社会で常識から外れた者は日々大変なわけで、その辺の「常識の恐さ」みたいなのはジョン・ウォーターズの映画なんかでもいつも盛り込まれているけれど、客観的に見ると「そっちも変じゃない?」ということになる。私が意外だったのは、子供ができたメアリーが一度も中絶を考えない事と、最後に子供ができた事を知ったディーンが「1回目で、すごい!」と感動する事。望まずにできた子供ではあるけれど、それに対してこの反応は、やっぱり根本的にバプテスト教会の教えがあるからなのだなぁと思った。それと同時に、あの年齢で避妊を知らないのも、教えゆえなのだろうか?(バプテスト教会の教えでは避妊をしてはいけないのかどうか調べられず。基本的に婚前交渉が無いものとされているから、避妊の知識もいらないのか?)それにしても、マコーレ・カルキンはまたもイイ具合にハマリ役だし、マンディ・ムーアもすごくハマッていた。この辺、脇役が主人公を食ってしまってるかも。そしてエヴァ・アムッリは母スーザン・サランドンに似過ぎで存在感&好感度あり過ぎ。(笑)あぁ、そして忘れてはいけないのが愛すべき醜女女優のヘザー・マタラッツォが出てるのよ♪それと「Gypsy 83」でゲイ役をしていたケット・タートンがまたもやゲイ役で登場。ところで、ゲイだと自覚するディーンだけど、フィギュアスケートをやっているという設定で、チラリと滑ってるシーンが映るのだけれど、「んな衣装、誰も着とらんわい!」とツッコミを入れたくなる衣装だった。(あの衣装を着れそうな信仰心の持ち主は心当たりがあるけど。)アメリカにおけるフィギュアスケートやってる男への世間のイメージってこんなもんよね。(これも皮肉のひとつなんだろうけど)
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