Mar 03, 2008
Quinceañera
- Quinceañera(Echo Park, L.A.)
- 2006
- USA
- IMDb
- 登場人物がゲイ
- 家族
- 信仰
Story
メキシコの女の子が15歳になった時に大人の女性として社会に受け入れるお祝い、Quinceañera(キンセニェラ)。多くの女の子にとって、自分の結婚式で着飾る事と同じぐらい楽しみな自分が主役のお祭り。LAのEcho Parkに住む14歳のMagdalenaは、いとこのQuinceañeraパーティーを見ながら、もうすぐ来る自分のQuinceañeraでも素敵なリムジンを借りて素敵なパーティーを開きたいと思っていた。しかし説教師をしている父が経済的な理由でそのような贅沢なパーティに反対し、夢が叶いそうにない事が彼女の唯一の悩みだった。結局リムジンはともかくドレスはいとこの使ったものを借りることになったのだが、Magdalenaのお腹が思いのほか大きくなっている事に、母親も親戚も、そして本人も驚くことになった。彼女は明らかに妊娠していたのだ。まだ14歳なのに妊娠していたことで、Magdalenaの父は激怒し、大げんかの末に彼女を家から追い出してしまう。Magdalenaは自分は誰とも寝た事がないと訴えたのだが、信じてはもらえなかった。確かに彼女にはHermanという年上のボーイフレンドがいたのだが、彼女の言う通り、一度も一線を越えた事はなかったのだった。家を出た彼女が頼れるのは高齢の大叔父さんであるTomasだけだった。Tomasの家にはもうひとり居候がいた。いとこのCarlosだ。彼は元々ギャングで素行が悪かった上に、ゲイである事が父親にバレてから家を追い出され、独り身のTomasの家に転がり込んで暮らしていたのだった。問題を抱えた若い二人を、Tio Tomas(Tomasおじさん)は優しく迎えてくれた。やがてMagdalenaが妊娠している事は、ボーイフレンドのHermanの家族も、学校のクラスメイトも知る事となる。
Review
まず全然知らなかったメキシコ文化をかいま見れたのが面白かったのだけれど、驚きは、このストーリーを非ヒスパニックの白人が作り上げたという事。監督と脚本を担当したのはゲイポルノ業界を描いた映画「The Fluffer 」の監督Richard GlatzerとWash Westmoreland。自分の家族の経済状況も知らずに夢を見るだけだった女の子が、ある日突然処女妊娠(作品の中で医学的な可能性が説明される)してしまい、家族から遠ざけられ、家族からはみ出したもの同士で住む事で、だんだん成長して行く。Tio Tomasは結婚のチャンスを逃してしまって以来ずっと独身だという話だが、本当の所は最後までわからない。それをハッキリさせる必要もないだろうと思う。ただ、Carlosが「特別な友達」をようやく見つけた時には喜んでいるようだった。そのCarlosだけれど、ゲイ全てがはみ出しものというわけではない。彼の住む社会、家もギャングも根強いホモフォビアがある世界だから、そちら側から見たらはみ出していたということだ。いや、彼もずっとはみ出さない様に隠して生きて来たので、今まで男と寝た事はなく、インターネットの履歴で初めて家族が知る事となったのだった。そもそもMagdalenaが妊娠しているとわかってから一度も堕胎の話が出ない、信仰の強い社会だ。こうやって排除していくのと対照的にTio Tomasは何でも受け入れて行く。だからCarlosはTio Tomasこそが聖人だと思ったのだろう。最初に見た時には台詞を追うのに必死で気がつかなかったけれど、Tio Tomasは最後にほんの少しだけ笑っていたのだった。この一瞬に気がつけてよかった。
2006年のサンダンス映画祭Grand Jury Prize受賞
Tio Tomasが売り歩いていたchampurradoという飲み物が何なのか気になっていたのだけれど、トウモロコとミルクにチョコを加えた飲み物のようです。それを知ったとたん、美味しそうに見えたりなどして。(笑)
